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池上 雅紀*; 上野 彰
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), p.61 - 69, 2007/04
J-PARCリニアックのビームコミッショニングが、181MeVのビームエネルギーで、2006年11月に開始された。ビームコミッショニングは、2007年6月まで行われる。本論文では、ビームコミッショニングの3/4終了時の結果、経験された問題点や課題とともに報告する。今後の計画についても述べる。
前川 藤夫; 及川 健一; 原田 正英; 甲斐 哲也; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 大井 元貴; 酒井 健二; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; et al.
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), p.118 - 126, 2007/00
JSNSでは、23本の中性子ビームラインのうちの1本(NOBORU)が、JAEA中性子施設開発グループに割り当てられている。このビームラインの第一目的はJSNSの中性子性能測定であるが、さまざまな研究のためのテスト実験も実施可能である。本論文では、2008年の初陽子ビーム受け入れ後の、JSNS試運転期間中におけるNOBORUを利用した実験計画について述べる。第一目的のための研究内容は、JSNS運転パラメータと中性子性能の相関,ユーザーに提供するためのビームパラメータ取得,JSNS中心機器の健全性確認,中性子工学設計の検証、及び測定手法開発である。さらに、われわれはラジオグラフィー,高圧実験装置の導入,eV中性子分光に興味があり、さらに新しい研究を生み出すための試験的利用も歓迎する。
原田 正英; 前川 藤夫; 勅使河原 誠; 渡辺 昇*; 加藤 崇; 池田 裕二郎
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), p.616 - 626, 2007/00
JSNSにおいて、構造設計,水銀や冷却水の流動設計,冷却系設計に必要な核発熱データを得るために、粒子輸送計算コードPHITSを用いて、総発熱量や発熱分布の評価を行った。発熱計算では、特に、3つの物理的な現象について、注意した。すなわち、光子の発熱では、光子カーマ係数ではなく電子輸送を考慮したこと、エネルギー保存則により再評価された中性子カーマ係数を用いたこと、崩壊熱及び崩壊線による発熱を考慮したことである。結果として、水銀ターゲットでの発熱は、530kWで、入射した陽子ビームエネルギーの約半分であることがわかった。また、水素への熱負荷は、3.8kWで、うち崩壊熱や崩壊線による熱負荷は、0.2kWであることがわかった。
及川 健一; 高田 弘; 前川 藤夫; 原田 正英; 加藤 崇; 池田 裕二郎
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), p.591 - 597, 2007/00
物質・生命科学実験施設におけるJSNSターゲットステーションの中性子シャッターシステムの建設工事は、現在最終段階にある。JSNSのシャッターシステムの主な構成は、(1)シャッターベースプレート,(2)シャッター間構造体,(3)シャッターブロック,(4)上部遮蔽ブロック,(5)駆動制御装置,(6)メンテナンスツールである。本シャッターシステムは、23本の各ビームポートごとに独立しており、その寸法や材質は最大中性子ビームサイズ100mm100mmを供給あるいは遮蔽することを目的として設計された。建設工事の詳細、特にアライメントに主眼を置いた報告を行う。
高橋 伸明; 柴田 薫; 佐藤 卓*; 中島 健次; 梶本 亮一; 及川 健一; 新井 正敏; Schanzer, C.*
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), p.373 - 381, 2007/00
原子力機構がJ-PARC物質生命科学研究施設に設置を計画している中性子散乱実験装置の一つである、飛行時間結晶アナライザー中性子非弾性散乱分光器(DIANA)は、微少生物試料のダイナミクスを研究対象としているため、低エネルギー領域(数十meV以下)で大強度の中性子ビームが求められる。近年、中性子源から試料へ中性子を導くための中性子輸送導管(中性子ガイド管)の研究が盛んに進められており、断面形状を楕円化することにより大強度化できることが報告されている。われわれは、DIANA分光器にとって最適な中性子ガイド管の仕様を決定するため、数十meV以下の低エネルギーの中性子を最も効率的に試料に導く形状を決定した。これまで検討されてきた直線形状の約1.5倍のゲインが期待されることが明らかとなった。
丸山 龍治; 山崎 大; 海老沢 徹*; 日野 正裕*; 曽山 和彦
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), p.197 - 200, 2007/00
中性子スーパーミラーは、研究用原子炉や核破砕型パルス中性子源で発生する中性子を効率的に実験装置まで輸送し、さらに必要な位置で分岐及び集束させるうえで重要となる中性子光学素子である。J-PARCにおける大強度パルス中性子源等で用いられる中性子光学機器の製造のために、0.2mの成膜可能面積を持つ大面積イオンビームスパッタ装置が導入され、これを用いたスーパーミラー開発が行われている。その結果、高臨界角スーパーミラーについてはNiの6.7倍の臨界角を持つ(臨界角における反射率は23%)ものが、高反射率スーパーミラーについてはNiC/Ti多層膜の導入により、Niの3倍の臨界角までの全域で87%以上の高反射率のスーパーミラーの試作にそれぞれ成功した。これらの開発方法及び実験結果について報告する。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 岡元 義尚; 二川 正敏; 神永 雅紀; 加藤 崇
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), 14 Pages, 2007/00
現在、J-PARCプロジェクトの核破砕中性子源として世界最高レベルである1MWビーム出力に対応可能な水銀ターゲットを建設中である。ここでは核破砕中性子源の核となるターゲット容器,水銀循環設備及びターゲット台車について、システムの概要及びこれらの製作・組立途上で生じた幾つかのトピックスについて紹介する。すなわち、ターゲット容器については、製作過程においてビーム窓部に容器の寿命に悪影響を及ぼす残留応力が生じたことが懸念されたため、これを評価し、問題ないレベルであることを確認した。また、水銀循環ポンプについては、水銀漏洩のない機械式電磁ポンプを開発し、400kWまでのビーム出力に対応可能な見通しを得た。さらに、ターゲット台車は300tの車体重量をシステム運転に必要な1mmの精度で位置決めできることを確認した。